エロゲ語り部の会

※ブログ中に登場する人物名・地名・団体名・商品名などは実在のものと一切関係ありません。

【ネタバレ感想】白昼夢の青写真 

 先ほど終わりました。余韻がエグイのでネタバレガン無視で感想を書きなぐっていきます。なんかの拍子で来てしまった未プレイの方は終わったあとにでも読んでくれると嬉しいです。というか早くやってくれ。

 

 

 

 

               ここからネタバレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以下、「主人公」と「ヒロイン」は各case1~3の6人それぞれを示します。海斗と世凪のみ名前で記載いたします。こんがらがってしまいそうなんで。。。

 

 case1~3があってcase0に繋がるもんだと思ってました。でも逆だったんですね。

あ!!この構図case1~3で見たことあるとプレイ中キャッキャッしてましたが似ていて当然なんですよ。

だって1~3は世凪が書いたものなんですから。主人公に海斗をヒロインに自分を重ねて、いつか記憶を失った後の自分に向けた物語だったんです。

これを知ると全てのcaseがクッッソエモくなるんです!!!!!!!!

世凪が書いた順にcaseを並べると3,2,1になります。物語の内容も3は比較的明るく2,1になるにつれて雰囲気が重くなっていきます。またどのcaseでも共通してヒロインは主人公と結ばれてはいけない理由があり、それも3,2,1の順に大きいものになっていきます。

これがエモい。世凪が大人になるにつれて変わっていくのです。

 

 

 case3は壊れた車を修理して綺麗な星の写真を撮りにいく物語です。話を構成する主な要素は、車、スクラップハンター、写真、空です。これらは幼少期世凪の思い出とリンクしています。主人公がぶち当たる障害として父親との不和が書かれていますが、これは中盤当たりでに解消されています。同様にヒロインの母親は男にだらしなくあまりよく書かれていないのですが、ヒロインは母親のこと恨んではいません。このことから幼少期世凪はまだ母親のことを憎んではいなかったと推測できます。少なくとも心から母親を憎んでいないことが分かります。そして忘れてはいけないのが主人公の母親です。この人物が全体を通して物語の中心にいて、理想の母親として描かれています。もちろんモデルは海斗の母親です。どれだけ幼少期世凪にとって重要な人物かがうかがえます。また、このcaseでは記憶に関することは一切でできていません。主人公とヒロインが抱える将来への漠然とした不安として扱われています。幼少期世凪にはまだこの先どうなるかは分かっていなかったのでしょう。

 ヒロイン(世凪)がガレージ(世凪)でひと夏の思い出をつくる。それだけなんですが世凪が書いたものと考えると愛おしく感じます。世凪はヒロインのようなキラキラした女性になりたかったんです。ヒロインが主人公より明確に年上なのもエモです。海斗の母に守ってあげてと言われたからでしょうか。ああエモい。泣いてる主人公にヒロインがキスする構図がcase0で重なって号泣。

 

 

 case2は端的に言うとアダムとイブです。このcaseは幼少期から青年期について書いた物語であると考えます。主人公とヒロインを阻む障害は身分の差であり、明確に結ばれてはいけない恋として書かれています。case3と違う点がここです。夢見る少女から大人へと変わっていく世凪の心情が私的注目ポイントです。物書きとしての主人公の才能をヒロインが見出すことから物語が始まります。これはcase0で世凪が海斗の才能に気づき一緒に学校に行くところにあたります。モチーフがシェイクスピアということもありアダムとイブ要素が来るんじゃないかとビクビクしていましたが案の定来てしまいました。結ばれない男女の話といえばアダムとイブです。世凪の物語は結ばれてはいけません。これは記憶を失った世凪に海斗との別れの辛さを伝えるためです。ああ悲しい。物語だけでも結ばれて欲しい。

 話は変わりますがキキって出雲が勝手に作ったキャラクターなんですかね。メタになりますが声優さんも同じですし。今作のチンチン枠ですかね。出雲が意外にも茶目っ気があるのも好きポイント。そんで、主人公に知恵を与えるポジションに遊馬をモデルにした人物がてくるんですよ。世凪の物語ではいずれも遊馬は悪く書かれてないんです。。。世凪がcase0での遊馬の行動は知らないんでしょうか。知らないほうが幸せなんだろうけどやっぱり悲しい。世凪の遊馬への認識は父の友達で海斗の父で止まってるのかな。。。

 身分違いの恋。ありがちな設定をここまで昇華させたのは感心するしかない。ヒロインが奴隷出身であると言い出せないのも自分に重ねたんですね。

 

 

 

 case1は結ばれてはいけない恋の最終強化形態になります。年の差、先生と生徒、主人公は既婚。堕胎の是非。禁忌のよくばりセットです。これを書いた世凪を考えるともう号泣です。それほどまで海斗と結ばれてはいけないと考えていたのでしょう。そして注目は主人公の元妻です。このcaseのヒロインは明確に彼女に敵意をもっています。背景を考えるにこの人物のモデルは世凪の母親で間違いないでしょう。やけにヒロインが元妻に張り合うなと思ってましたがそれもそのはずです。ですが、case3でのスクラップハンターのモデルもまた世凪の母親なんです。しかも主人公の母と並んで理想の女性として書かれています。何か心情の変化があったのか、それともcase1は世凪の不の部分が強調されているだけなのかは分かりません。

 また、死の臭いがただよう場所として世凪の家が採用されいて、ヒロインの父が狂っていく様子のモデルは世凪の父親です。物語中では主人公もヒロインの父をなぞるように執筆活動を通じて死に近づいていきます。それをヒロインが救うのです。ここにヒロインの微かな願いが感じとれます。このcase1での執筆とは世凪にとっての研究であると私は考えます。研究に没頭していく海斗を世凪は止めたかったのです。case0で世凪がこぼした本音がcase1にも組み込まれているんです。エピローグでも主人公は執筆活動を辞め、代わりにヒロインが執筆することになっています。ここまでくると深読みだとは思いますが、自分を研究のために差し出した世凪の行動と一致してます。

 

 

 

 長くなってしまったので最後に感心したことと気になった点を書いていきます。まず初めに、case1~3のヒロインちゃん主人公に惚れるの速すぎ問題です。四部構成である以上尺の問題があるのでしかたないと思います。ですがこの問題は世凪が書いた物語であるということでこちらは納得できます。そりゃ主人公のモデルが海斗なので当然なんです。どの主人公も奥手なのも微笑ましいですね。キャラや声優の使いまわしも気になりませんでした。そりゃ世凪の周りの人物がモデルなんですから。もちろん声優の技量もありますが。こちらを納得させる理由を違和感な作ったのはあっぱれです。

 気になった点は2つあります。1つ目はシャチが死んだ理由です。紫外線で死ぬことはないみたいなので、上層の人間が何かやったのでしょう。コラムかなんかで聞きたいです。2つ目は新宿のその後です。現状基礎欲求欠乏症は解決されていません。このモヤモヤも余韻として楽しめということなのでしょうか。それとも続編ですかね。

 

 書きたいことがまとまらずダラダラと長くなってしまったので今回はこの辺で終わりにします。まだまだ書きたいことが止まりません。case0で海斗世凪出雲がそろったときにあのBGMが初めて流れることとか、case3の冒頭で髪を切られているのは実は梓姫だったりetc....。今回はcase0でどう繋がるのかを中心に書きましたが、次回はcaseごと詳しく感想を書いていきたいと思います。ちなみにヒロインで一番好きなのはすももちゃんです。